洋上風力発電の仕組みをおさらい!

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洋上風力発電の仕組みをおさらい!

日本各地の海で「洋上風力発電」のプロジェクトが進んでいるのをご存知ですか?

洋上風力発電は、巨大な風車を建ててエネルギーを生み出すもので、日本の地理的条件に適したクリーンエネルギーとして官民をあげて導入が進められています。

今まさに熱い注目を浴びている洋上風力発電の仕組みをおさらいしておきましょう!

過去の記事
『洋上風力発電とは?水中ドローンの活躍はあるのか?』

『秋田県に風力発電が多い理由』

洋上風力発電とは

洋上風力発電とは、海の上に設置した風車で風を受け、風の運動エネルギーでプロペラをし、その回転エネルギーで発電機を回して発電する仕組みです。

これまで国内の風力発電は陸上で行われてきましたが、一般に洋上の方が一定の風を受けられるほか、生活エリアから離れたところに設置するため、景観や騒音といった問題が起きにくいメリットがあります。

国内では、台風被害などのリスクや法規制などが導入のハードルとなってきましたが、技術の進歩による耐久性の向上や関連する法整備(再エネ海域利用法)により、本格導入への動きが活発化してきています。

日本で洋上風力発電が注目される背景

洋上風力が注目される背景

日本では今、洋上風力発電が次世代のクリーンエネルギーとして、大きな注目を集めています。

大きな理由の一つは、2020年に政府が宣言した「2050年カーボンニュートラル」です。

脱炭素社会に向けて、2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロを目指す目標です。

実現のための方策として、洋上風力発電は、水素や蓄電池などとともに重点的に取り組む分野として挙げられています。

2021年には日本の4ヶ所の促進区域(秋田県能代市、三種町および男鹿市沖、同県由利本荘市沖、千葉県銚子市沖)で公募が行われ、事業者が決まりました。2022年12月には、秋田県沖の日本海で、初めての本格的な商業運転が始まっています。

洋上風力発電の基本的な仕組み

洋上風力発電の基本的な仕組み

洋上風力発電の仕組みは、陸上での風力発電と大きく変わりません。

風力発電の基本的な仕組みとは、次のようなものです。

  • 風の力でブレード(羽根)を回転させる。
  • 回転を「ナセル」と呼ばれる装置に伝える。
  • 発電機が回転の力を電気に変換する。
  • 発電された電気を送電する。

※ナセルとは、ブレードに取り付けられている装置を指し、内部には増速機、発電機、ブレーキなどが搭載されています。

ブレードが風を受けることで、ナセルの動力伝達軸に力が伝わり、ナセル内部の機器にも伝達していくのです。

風力発電基本的な仕組み
編注:引用元 関西電力「風力発電の仕組み」https://media.kepco.co.jp/_ct/17524643

一般に、陸上よりも強い風が一定に吹く洋上では、より大きなエネルギーを得ることができます。

そのため、洋上風力発電の設備は陸上に比べて大型で、塔の高さは約120〜200メートルが主流です。

近年は技術開発に伴って巨大化する傾向にあり、東京タワー(333メートル)に迫る規模の塔も開発されています。

陸上風力発電と異なる点

国内ではこれまで、山地や沿岸などの陸上で風力発電が導入されてきました。2021年末時点の発電量は累積4.58GW(ギガワット)です。

政府は「洋上風力産業ビジョン」において、2030年までに10GW、2040年までに30〜45GW程度(原子力発電所30〜45基相当)という目標を掲げています。

目標の達成には、これまでの陸上風力発電を遥かに上回る規模での洋上風力発電施設の整備が不可欠です。

一方、洋上風力発電には、陸上風力発電とは異なる点もいくつかあります。

(1)送電方法

洋上風力発電で発電した電気を陸上の電力網に送るため、海底に送電ケーブルを敷設する必要があります。

海底ケーブルのコストは地形や水深、潮の流れなどによって変化し、施工後も定期的な保守点検をしなければなりません。

(2)基礎部分

風車の構造自体は陸上風力発電と変わりませんが、風車を支える基礎部分は、洋上風力発電ならではの特殊な構造となっているため、施工にも相応の技術水準を求められます。

基礎部分の構造によって、洋上風力発電は大きく2種類に分けられるため、次の項目で解説します。

2つのタイプがある洋上風力発電

洋上風力発電には、基礎部分の構造の違いによって、「着床式」と「浮体式」の2つのタイプがあります。

2つのタイプ(着床・浮体)

編注:引用元 『産総研マガジン』(2022年11月9日)「洋上風力発電とは?」https://www.aist.go.jp/aist_j/magazine/20221109.html

(1) 着床式

支柱が海底に到達しているものを指します。海底に杭などの基礎構造物を埋め込み、風車を支える方式です。

これまでの洋上風力発電で広く用いられ、すでに運用されているほとんどは着床式と言われています。技術的・経済的な観点から、水深が比較的浅い場所に適しており、目安は深さ50メートル以内です。

着床式の洋上風力発電は、基礎構造物の形状によってさらに分類できます。

例えば、①重力式、②モノパイル、③ジャケットといったものです。

それぞれ海底の地盤の特性によって適地が異なり、例えば重力式は平坦な地形で、ジャケット式は傾斜のある地形に適していると言われています。

着床式の分類

編注:引用元 大林組「スカートサクション」 https://www.obayashi.co.jp/solution_technology/detail/tech_d200.html

(2) 浮体式

洋上の浮体構造物の上に支柱を置き、海底にシンカーでつなぎとめて風車を支える方式です。風車を完全に固定するのではなく、あくまで浮いている状態ですが、シンカーでつなぎとめることで、大きく流されるのを防ぎます。

着床式に比べると、水深の深い場所でも運用可能なため、より広い海域で洋上風力発電を導入できること、基礎部分を埋め込む工事にかかるコストを抑えられることなどのメリットがあります。

一方、新しい技術のため、実用化はこれからの段階です。浮体式も形状によって、①セミサブ型、②スパー型、③TLP型などに分類することができます。

浮体式の分類

編注:引用元 大林組「スカートサクション」 https://www.obayashi.co.jp/solution_technology/detail/tech_d200.html

普及の鍵は浮体式にあり?

洋上風力発電は、陸上に比べて大規模な導入が可能で、今後のコスト低減や経済波及効果も期待されていることから、再生可能エネルギーの中心を担う存在として注目を集めています。

一方、台風などの荒天や、海底を震源とする地震といった災害リスク、漁業資源などの海洋環境への影響といった点に留意する必要があることも事実です。

また、現在の主流である着床式の建設には、基礎構造物を設置するために多額のコストを要しています。水深50メートル以内という技術的・経済的な条件もあるため、適地が限られてしまうことも課題です。

これらの課題に一石を投じることが期待されているのが、浮体式の本格導入です。

建設コストや災害リスクの低減、導入適地の拡大によって、より多くの海域で大規模な施設を建設できるようになると考えられています。

日本は浮体式の技術開発をいち早く進めてきた経緯があり、実証実験も行われてきました。

2022年12月現在、長崎県五島市沖で、浮体式としては国内初の商業運転に向けたファームの建設が進んでいます。

浮体式の本格導入によって、日本における洋上風力発電は一気に普及する可能性があり、すでに保守点検などに用いられている飛行・水中ドローンの活躍の場も、ますます広がっていくことでしょう。

【参考文献】産業技術総合研究所『産総研マガジン』2022年11月9日
「洋上風力発電とは?」
https://www.aist.go.jp/aist_j/magazine/20221109.html株式会社南条製作所
「洋上風力発電の仕組みとは?」
https://www.nanjyo.co.jp/pickup/blog-offshore-wind-power-structure/
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