「林業」の仕事って、未経験から挑戦できるの?森林大国の未来を担う「フォレストワーカー」になるには

皆さんは「フォレストワーカー」という言葉をご存知ですか?林業の現場に携わり、森を守り育てる人たちを指す言葉として、近年よく使われるようになりました。

森林資源を守り、活かしていく仕事の重要性は増す一方です。

また、地方創生といった視点からも注目されており、都市部から地方に移住して、未経験から挑戦する人も増えてきました。

林業に挑戦する人を後押しする教育プログラムも充実してきています。今回は、林業に携わる「人」に関する最近の動きを見ていきましょう!

担い手減少と高齢化が進んできた林業

担い手減少と高齢化が進んできた林業

国内で林業に携わっている人の数は、長期的には減少傾向です。

1985年には全国で約12万6千人でしたが、2015年には約4万5千人となっています。東北地方の都市で言えば、宮城県岩沼市や山形県東根市の人口に近い数字です。

日本は世界有数の森林大国ですが、広大な森林を担い育てる人数としては、少ないように感じるのではないでしょうか。

担い手の高齢化も進んでいます。同年の調査では65歳以上の割合が25%に達しました。

これまで長期的な担い手の減少、高齢化が進んできた背景には、国産材の価格が長らく低迷してきたことや、重労働で危険を伴う作業が敬遠されてきたこと等の要因が挙げられます。

近年目立つ若者の活躍

一方、若い世代の活躍が近年目立つようになってきたのも特徴です。

35歳未満の若年者率が少しずつ高まっており、2010年代は、年間でおよそ3,200人が新たに就業しています。

林野庁は2003年から「緑の雇用」事業を開始し、経済的な支援等で若い世代の就業を積極的に後押しするようになりました。この事業を利用して就業した人は、2019年までに約1万9千人に上っています。

また、森林での作業に必要な技術を認定する資格として「林業作業士(フォレストワーカー)」があり、未経験からの資格取得、スキルアップを図るための研修制度も充実してきました。

この「フォレストワーカー」は、森林で作業を担う人を指す新たな呼び名として、徐々に定着しつつあります。

林業の仕事に携わるには?

林業の仕事に携わるには?

林業に携わるためには、いくつかの方法があります。

最も一般的と言えるのは、民間や第三セクターの林業会社や各地域の森林組合に就職する方法です。

求人情報はハローワークや民間の求人情報サイトでも探すことができますが、各都道府県にある「林業労働力確保支援センター」では、林業に絞った求人情報を得ることができるほか、就職に向けた相談、「一日山仕事体験」や実技の研修などのプログラムを利用することができます。

また、自治体によっては「地域おこし協力隊」制度により、林業を通じた地域おこしのプログラムを用意しているところもあります。

委嘱される期間には限りがありますが、期間中は定額の収入を得ながら地域の林業家や林業会社のもとで経験を積み、将来的な自活、定住を目指す仕組みです。

東北地方でも林業に関する地域おこし協力隊を活用、募集している市町村は多く、宮城県内では気仙沼市や登米市、七ヶ宿町、丸森町などが挙げられます。

充実してきた林業教育の場

充実してきた林業教育の場

林業に関する教育と言えば、以前は農林系学科のある高校などに限られていましたが、少子化や産業構造の変化で、林業に関する教育を行う高校は減少傾向にあります。

一方、近年では、林業の現場で働く前に知識や技術を習得したいという人のために、「林業大学校」などの名称で実践的な教育プログラムを展開している自治体も増えてきました。

このうち秋田県は2015年度から「秋田県林業トップランナー養成研修(秋田林業大学校)」を開設しています。

主なプログラムは、森林や林業経営の基礎知識の講義、チェーンソー等の操作といった基本的な技術の講習、関連する資格取得の支援などです。

また、山形県はすでにある県立農林大学校(専修学校)に加え、4年制大学として(仮称)東北農林専門職大学校を新庄市に開学する構想を進めています。

かつては、全て現場に出てから先輩の教えや経験、勘所を身に着けるというイメージの強かった林業ですが、現場に出る前に基礎的なノウハウを習得できる機会も増え、未経験から「フォレストワーカー」を目指すハードルは低くなりつつあると言えます。

スマート林業

このため、IT業界など、異業種の経験を生かして林業の現場に挑戦する若い世代も増えています。

最新の技術を活かし「スマート林業」の実現に取り組むなど、林業の世界には新しい風が吹き始めました。ドローンも、森林の調査や苗木の運搬といった分野で、各地で活躍しています。

新しい時代を迎えつつある林業の将来のために、私たちもお手伝いしたいと願っています。

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