日本最大級の農業の大祭典「秋田県種苗交換会」。今年は第141回が行われ、農業分野のドローン発展のために伺ってまいりましたのでレポートいたします。
種苗交換会とは?
「秋田県種苗交換会」は今年で141回を迎える農業イベントで、昔は文字通り農家同士で苗や種子を交換し、情報共有や勉強会を行ったのが始まりといわれています。
現在ではその幅を広げ、地域特産品を販売したり、地元の子供たち向けの農業学習展示をしたりなどして、秋田県民にはもちろんのこと、全国的に知られるイベントとなっています。観覧者数は毎年80万人前後で、秋田県内の各地が持ち回りとなり開催地が決まるといいます。
01878年開催の1回目から、一度も中止されることなく毎年行われ続けてきていることにも注目です。
関係者や農家さんたちが守り続けた交換会の伝統が今なお続き、さらなる発展のため志を受け継ぎながら開催されています。
第141回秋田県種苗交換会概要
開催時期 | 10月30日(火)~11月5日(月) |
---|---|
主会場 | 秋田拠点センターアルヴェ(優良農産物の出品展示、県内JAによる地産地消展ほか) |
協賛第1会場 | ぽぽろーど、秋田駅西口大屋根下通路、アゴラ広場 (各種地場産品販売、飲食ブース、ステージイベントほか) |
協賛第2会場 | エリアなかいち (秋田の食・日本酒グルメ屋台村、野外特設ステージ、プロジェクションマッピングほか) |
協賛第3会場 | 旧秋田空港跡地(最新農業機械の展示・実演、農業資材店ほか) |
協賛特別会場 | アトリオン、秋田市役所・市民ホール(秋の工芸品まつり、刑務所作業製品展示即売) |
備考 | そのほか期間中の主催行事として、秋田拠点センターアルヴェや秋田市文化会館等でオープニングセレモニー、談話会、各大会などを予定 |
ガチな農家さんが大集結!規模もすごい
種苗交換会はこの業界では知らない人はいないほどの大イベントで、全国の農家さんによる農産物の展示、直売のほか、農業に関するあらゆるものの展示や実演などが行われています。
その規模は相当なもので、駐車場に大型のマイクロバスが何十台もくるほど。各地域から団体で訪れるなど、関連する人がそれだけ多いということがわかります。駐車場も満杯になりがちで、シャトルバスも運行しています。当然秋田県にとっても最大級のイベントなのです。
イベント実施期間も約1週間と長く、協賛会場も多くて各所で催し物が違います。常時展示や販売の他にも有名人によるコンサートやトーク、子供も喜ぶヒーローショーからキャラクターショーまで、連日盛りだくさんの内容となっています。
ガチな全国の農家さんはもちろんのこと、イベントや買い物を楽しみに来た地元の方、毎年東北各地域から足を運ぶ方等々、とにかくたくさんの人が集う伝統ある行事なのです。
各会場の催し物について
一般参加者が一番集うのは、特設ステージのある協賛第2会場。連日にぎわっていたようです。
一方、われわれに関連性の高いのは第3会場で、こちらはガチな農業分野の方(農業機械、仏壇・石材、植木・苗木、農業資材など)で別な意味でにぎわっておりました。
種苗交換会とドローンの関係性
イベントの方向性とわれわれのドローン業務とは一見縁遠いように感じますが、農業分野でのロボットやドローンの需要が見込まれる近年では、むしろ今後長く関わっていくことになりそうです。
今回は「スカイリンク秋田」さんがブース出展し、お手伝いというかたちで伺いました。
全国の農家さんが来て、直接お話を聞ける貴重な機会です。皆さん最新の農機具への関心が高く、今回も農薬散布用のドローンのニーズがよく理解できる貴重な経験となりました。
種苗交換会は平成元年に3,000を超す出品点数があったのに対し、近年ではその数が年々減少して2,000を切るようになってきています。
これは農業分野そのものの縮小が影響してきているのかなと思いますが、ロボットやドローンなどが関わることで、変わってくるのかもしれません。
次回開催時にはもっとドローンに興味を持つ方が増えてくれることを期待しつつ、われわれも日々精進してまいります。
DJI社製農薬散布ドローンの紹介
DJI AGRAS MG-1
今回ブース展示していた「AGRAS MG-1」(DJI社)は、国内の農薬散布ドローンとして代表的な機体です。
弊社ではこの機体の販売と、農業用ドローン免許取得教習を行っております。詳しくは「農薬散布用ドローンMG-1スクールと機体販売のご案内」のページで紹介しておりますので、ぜひあわせてごらんください。
MG-1は農薬や肥料は約10リットル搭載でき、最高時速約20kmで散布可能。地上で人間が作業するのに比べ、40倍~60倍ほどの速度で完了します。多くの農業関係者が望む「粒材散布装置」も搭載しています。
高性能A3フライトコントローラーを搭載し、信頼性と安定性を実現。高精度なマイクロ波レーダー3つが地形を認識して高度を確認することで、作物との一定の距離を保ちます。
噴霧機能は前方噴霧、後方噴霧、全面噴霧の3種類。ノズルを制御するタンクが搭載され、噴霧中の噴霧速度や噴霧量を制御します。
DJIは農薬散布管理プラットフォームを提供しているため、飛行・噴霧状況の管理をすることで作業効率を狙えます。
ESC保護ため耐水性膜を塗布し、液体の注入や取り外し洗浄が簡単にできる仕様です。また、故障時の部品交換がしやすいよう、取り外しやすい設計となっています。
DJI AGRAS MG-1S ADVANCED
現状最も高性能な農薬散布ドローンといえるのが「AGRAS MG-1S ADVANCED」(DJI社)です。MG-1の上位型で高い飛行性能を持ち、1haを10分で散布完了させます。軽量で機動性も優れています。
8台のローターを搭載し、推進力と制御アルゴリズムを兼ね備え、飛行時の安全性を確保。アップグレードしたレーダーにより多方向の障害物感知と自動地形認識能力が向上しました。木の枝といった障害物だけでなく、明るさや塵埃(じんあい)の影響も受けずに作業ができます。レーダーシステムは防塵性、防水性にも優れています。
再設計された噴霧システムは保護カバーも変わり、ノズルも液漏れを防止。噴霧の開始・停止は0.5秒で行えます。
操作モードも追加され、飛行経路を最適化。作業効率が最大20%アップできます。従来のモードと合わせ、多彩な操作選択が可能です。
インテリジェントバッテリーも再設計されてグレードアップ。簡単に交換できて保護性能もアップしています。
全国的にもレアな農業イベント「種苗交換会」
これだけ大規模な農業イベントは、全国的にみても種苗交換会だけでしょう。一見直接関係なさそうな催し物も、多くの人を集める要素になっていますし、足を運んでもらうことで農業のことをもっとよく知ってもらう良い機会です。
一時期は財政負担の影響で県が隔年開催を打ち出した経緯もありますが、たくさんの人によって支えられ、大きくなっていったイベントといえます。
お問合せはこちら
国家ライセンス制度、補助金、講習内容など、ご不明点はいつでもご連絡ください。講習日に見学も受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせください。